内視鏡検査のご紹介

当院では、日本消化器病学会専門医3名、日本消化器内視鏡学会専門医3名をはじめ、5名の内視鏡担当医が2部屋の内視鏡検査室を使用して、検査と診断を行っております。

上部・下部内視鏡検査ともに、特定曜日で女性医師による対応も可能です。内視鏡検査は、検査や処置によっては経過観察のため入院が必要な場合もありますが、入院設備も完備しております。

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内視鏡検査の説明

緑色のタブを押すと、上部内視鏡と下部内視鏡が切り替わります。

Q&A形式になっており、質問をクリックすると説明文が表示されます。

上部内視鏡検査とは?

太さ約5~10mmの内視鏡を口または鼻から入れて、食道、胃、十二指腸の内腔を観察する検査です。一般には「胃カメラ」とも呼ばれています。

カメラを口から入れる方法と鼻から入れる方法があるけど、どちらが良い?

どちらのカメラにも、良い点・悪い点があります。患者さんのご希望で選んでいただけます。

口から入れる方法(経口カメラ)

【良い点】

・カメラの管が太く、ライトも明るいので病変部分をより鮮明に観察できます。

【悪い点】

・カメラが喉の奥に触れるため、吐き気(嘔気反射)を伴います。

・鎮静剤(麻酔)を使用する場合、検査当日は車の運転ができません。

鼻から入れる方法(経鼻カメラ)

【良い点】

・麻酔薬が少量で済みます。鎮静剤を使用せず、車で帰られる方も多いです。

・カメラが喉の奥に触れないので、吐き気(嘔気反射)を軽減できます。

・咽頭部については経鼻カメラの方が観察しやすいといわれています。

【悪い点】

・鼻の疾患がある方、鼻腔が狭い方は使用できないことがあります。

・経口カメラより画質が劣る(近年、技術進歩により差が少なくなっています)

バリウム検査と胃カメラ、どちらが良い?

胃透視検査(いわゆるバリウム検査)と上部内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)はどちらも胃内部の検査です。

・臓器の内部をカメラで直接観察できることで、より正確な診断が可能
・異常を発見した場合、同時に生検(病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査)が可能
・造影剤(バリウム)の服用が不要
・放射線を使用しないため、被ばくが無い

といった理由で、内視鏡検査をおすすめしております。

胃カメラでピロリ菌感染が分かる?

上部内視鏡検査を行った際、ピロリ菌の感染が分かることがあります。

ピロリ菌に感染していると、菌の毒素によって胃の粘膜が慢性的な炎症を起こしやすくなります。

炎症を繰り返していると、胃粘膜の胃液や胃酸を分泌する組織が失われて、胃粘膜が萎縮してきます。

これが進行すると、胃粘膜が腸の細胞に変化してしまい、胃がんのリスクを大幅に上昇させます。

ピロリ菌は抗生剤と胃酸分泌抑制剤を服用することで、約90%の方が除菌可能です。

内視鏡検査でピロリ菌感染が判明した場合、除菌治療を保険適用で受けることができます。

検査でどんな病気が分かる?

上部内視鏡検査では、

  • 胃がん
  • 食道がん
  • 胃炎
  • 逆流性胃腸炎
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍

などを調べることができます。

料金はどのくらいかかる?

上部内視鏡検査の料金は、以下の通りです。

  保険1割負担 保険3割
上部内視鏡検査料 1,140 円 3,420 円
生検(標本数により変動) 1,700~4,000 円ほど 5,000~10,000 円ほど

(*生検=病変の一部を採って顕微鏡で詳しく調べる検査です)
※料金はあくまで目安です。実施した処置の内容などにより、変わります。

どんな人が検査を受けたら良い?

以下に当てはまる方に、検査をおすすめします。

・おなかが痛い、おなかが張る

・食欲がない

・吐き気が続く、胸焼けがある

・貧血がある、黒い便が出る

・ピロリ菌が陽性、または家族がピロリ菌陽性だった

・胃がんの血縁者がいる

・40歳以上で一度も胃内視鏡検査を受けたことがない

どのくらいの間隔で、検査を受けたら良い?

40歳以上の方は、異常の無い方でも2-3年に一度、上部内視鏡検査を受けることをお勧めします。

胃がんは早期発見であれば完治できる可能性が高く、早期発見には定期的な内視鏡検査が有効です。

検査はどんな流れで行う?

  1. 検査を行うにあたり、1度来院して頂き、事前問診や説明を受けて頂きます。検査を安全に行うために、常用薬の確認や薬のアレルギーなどをチェックします。
  2. 検査前日の21時以降から絶食です。検査当日の朝6時以降は飲水も中止してください。血圧、心臓のお薬を飲む場合は、朝6時までにコップ1杯の水で服用してください。
  3. 抗凝固薬、抗血小板薬を服用されている方は、医師の指示に従い服用を中止してください。
  4. 鎮静剤を使用する場合、帰りに車、バイク、自転車の運転はできませんので、公共交通機関等で病院にお越しください。
  5. 検査直前に、胃の粘膜や泡を抑える薬(消泡剤)を服用していただきます。その他、胃の動きを抑える薬や、鎮静剤を使用することもあります。
  6. 経鼻内視鏡を使用する方は、鼻粘膜の腫脹を取る点鼻薬と局所麻酔を鼻腔内に投与し、その後鼻腔内にチューブを挿入します。経口内視鏡の場合、のどに局所麻酔を投与します。経鼻内視鏡挿入時に痛みや抵抗がある場合には、経口内視鏡に変更することがあります。
  7. 内視鏡を挿入し、検査を開始します。経口内視鏡の場合はマウスピースをくわえていただきます。検査時間は5~10分程度です。
  8. 検査時には、病変を細かく観察するため色素散布することがあります。また、病変が良性か悪性かを検査するため、少量の組織を採取することがあります(組織生検)
  9. 検査後、医師より検査結果の説明がございます。組織生検の結果は後日説明がございます。
  10. 検査終了後1時間は絶飲食ですが、それ以降は飲食可能です。組織生検を行った場合は、検査当日の飲酒は禁止です。
  11. 鎮静剤を使用した場合、眠気、ふらつき、嘔気、めまい、呼吸抑制などの副作用を認めることがあります。鎮静剤使用時は検査後2時間、病院内で休んでいただきます。
  12. 検査後に血圧低下、呼吸不全などの際は酸素投与、点滴、投薬など追加の治療を行う場合があります。

上部内視鏡検査の流れ 説明動画

検査の流れは、動画でも紹介しております。

下部内視鏡検査とは?

肛門から太さ約12mmの内視鏡を挿入し、大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察し、ポリープやがん、炎症などを診断します。鎮静剤を使用し、検査時の負担を軽減することも可能です。一般には「大腸カメラ」とも呼ばれています。

他にも大腸検査の方法はある?どの検査が良い?

同じ大腸内部の検査に、注腸X線検査があります。肛門からバリウムと空気を注入し、X線で大腸(結腸・直腸)を調べる検査です。

2つの検査を比較すると、

  • 内視鏡検査は、臓器の内部をカメラで直接観察できることで、より正確な診断が可能
  • 異常を発見した場合、同時に生検(病変の一部を採って、顕微鏡で詳しく調べる検査)や、ポリープ切除が可能
  • 造影剤(バリウム)の服用が不要
  • 放射線被ばくが無い

といった理由で、可能な方には大腸内視鏡検査をおすすめしております。

大腸カメラで見つかるポリープって何?

大腸表面にある粘膜の一部が隆起し、イボのようになったものをポリープと呼びます。

ポリープは大きく分けて腫瘍性のものと非腫瘍性のものがあります。

腫瘍性のポリープにも良性のものと悪性のものがありますが、大腸がんは腫瘍性の良性ポリープが、悪性化して発生する場合もあります。

下部内視鏡検査では、検査と同時にポリペクトミー(ポリープ切除術)を実施することができます。

検査と同時にポリープ切除するとあるが、どのように行う?

①内視鏡の先端からワイヤーの輪(スネア)を出し、ポリープの根本にかけます。
②スネアの輪を締め、スネアに電気を流します。
③ポリープの根本を焼き切ります。

※ポリープの種類や大きさなどにより、検査時に切除しない場合もあります
※ポリペクトミーを行った場合、経過観察のため一晩入院して頂く場合があります。

検査でどんな病気が分かる?

下部内視鏡検査では、

  • 大腸憩室炎
  • 腸炎
  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病

などを調べることができます。

料金はどのくらいかかる?

下部内視鏡検査の料金は、以下の通りです。

  保険1割負担 保険3割
下部内視鏡検査料 S状結腸 900 円 2,700 円
下部内視鏡検査料 下行結腸及び横行結腸 1,350 円 4,050 円
下部内視鏡検査料 上行結腸及び盲腸 1,550 円 4,650 円
生検(標本数により変動) 1,700~4,000 円ほど 5,000~10,000 円ほど
大腸ポリペクトミー(ポリープ切除術) 6,110 円 18,330 円

(*生検=病変の一部を採って顕微鏡で詳しく調べる検査です)
※料金はあくまで目安です。実施した処置の内容などにより、変わります。

どんな人が検査を受けたら良い?

以下に当てはまる方に、検査をおすすめします。

  • 便通異常(下痢や便秘)を長期間繰り返している
  • お腹の不調が長期間続いている
  • 便が急に細長くなった、血便・下血、粘膜のようなものが付着した便が出た
  • 排便後に拭いたティッシュに血が付いていた
  • 通勤時や緊張するとお腹を下す事がよくある
  • 便潜血検査で陽性と診断された
  • 血縁者に大腸がんを発症した人がいる
  • 以前に大腸ポリープを切除した経験がある
  • 40歳以上で一度も大腸内視鏡検査を受けた事がない

どのくらいの間隔で、検査を受けたら良い?

40歳以上の方は、異常の無い方でも3-5年に一度、下部内視鏡検査を受けることをお勧めします。

大腸ポリープを切除した人は1,2年に1回の検査を受けることをお勧めします。

早期発見できた大腸がんは、5年以上生存率が9割以上といわれています。早期発見には、定期的な内視鏡検査が有効です。

検査はどんな流れで行う?

  1. 検査を行うにあたり、1度来院して頂き、事前問診や説明を受けて頂きます。検査を安全に行うために、常用薬の確認や薬のアレルギーなどをチェックします。
  2. 検査前日の21時以降から絶食ですが、飲水の制限はありません。夕食はおかゆなど消化に良いものを少な目に摂取してください。こんにゃく、きのこ類、トウモロコシ、にんじんなどの根菜類は避けてください。
  3. 検査前日の就寝前に下剤を内服してください。血圧、心臓のお薬を飲む場合は、検査当日の朝6時までにコップ1杯の水で服用してください。
  4. 鎮静剤を使用する場合、帰りに車、バイク、自転車の運転はできませんので、公共交通機関等で病院にお越しください。
  5. 検査当日の朝6時頃から、腸管洗浄液2リットルを約2時間かけて内服し、腸の中をきれいにします。
  6. 来院後、看護師が便の状態を確認します。なかなか腸がきれいにならない方は、肛門からぬるま湯を入れて排便を促す場合があります。準備ができたら、検査着にきがえてベッドに横になります。鎮静剤を使用する場合があります。
  7. 肛門に指を挿入し診察を行いながら、潤滑麻酔を塗布します。その後、内視鏡を挿入します。
  8. 検査時間は20~60分程度です。腹痛、腹部膨満などが強いと途中で検査を中止する場合があります。
  9. 検査時には、病変を細かく観察するため色素散布することがあります。また、病変が良性か悪性かを検査するため、少量の組織を採取することがあります(組織生検)ポリープ切除術(ポリペクトミー)などの内視鏡治療を行う場合があります。
  10. 内視鏡治療を行った場合、安静のため1泊入院をお願いする場合があります。内視鏡治療後は2週間ほど飲酒、旅行、運動(ゴルフなど)を控えてください。
  11. 検査後、医師より検査結果の説明がございます。組織生検の結果は後日説明がございます。組織生検を行った場合は、検査当日の飲酒は禁止です。
  12. 鎮静剤を使用した場合、眠気、ふらつき、嘔気、めまい、呼吸抑制などの副作用を認めることがあります。鎮静剤使用時は検査後2時間、病院内で休んでいただきます。検査後に血圧低下、呼吸不全などの際は酸素投与、点滴、投薬など追加の治療を行う場合があります。

下部内視鏡検査の流れ 説明動画

検査の流れは動画でも紹介しております。